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Our Approach

私たちの事業は、2014年の東京で、今思えば途方もない一つの問いを立てたところから始まりました。

「来たる気候変動とマシーンの時代。私たちはどうやって“人間の尊厳”を見出しうるのか?」

それから信州の山郷に飛び込み、汗と木屑と土にまみれること10年。
ようやく見えてきた答えのしっぽは、『自然に活かされ、自ら創ることで、自ずと満ち足りる〈自創自足〉の暮らしを営む』ということでした。

それは例えば、自分より長く生きてきた大径木を切り倒し、運び出し、薪割りして、薪棚に一つ一つ積み上げていく、ということ。
そして次の世代へ続くように、ドングリを植え、苗木を育てるということ。
そんな連環した所作の積み重ねが、そこにしかないけもの道のような風景をつくり、美しさとは、豊かさとは、生きるとは何かを問いかけるのです。

人間は、足元にあるものを見ようとせず、ないものを追い求める。
一方で目に見えるもの、数えられるものだけが真実で、それ以外は虚実だとも思う。

私たちは、そうした人々の“世界観”を揺さぶりたいと考えています。
美しさとは、豊かさとは、生きるとは何か、問い直すきっかけを、世界中の人々へ五感で感じられる体験として届けたい。
そうしたアプローチが、人々がやがて“人間の尊厳”を見出しうる道だと、つよく思っているからです。

それが私たちにとっての宿業であり、フォークロアの根っこにある価値なのです。

Our Project

Renovation

私たちにとってリノベーションは、
かつてそこに暮らし、大切にそれを使った人々と、これからそこを訪れ、それに手を触れる人々を結ぶ営みです。
大事にしているのは、時代に取り残され顧みられなくなったものたちを掘り起こし、
そこにしかない美しさを見つけること、そして新たな役割を託すこと。
それに触れる人々が、その奥にある“物語”を想像したり、
“豊かさ”について問い直したりするきっかけになるようにと思っています。

Guesthouse

山深い信州・南木曽で、空き家を再生した宿を3棟運営しています。
里山暮らしが息づくこの地で、世界の旅人が地域の風土に出会う『窓』となることが、私たちの願いです。  

  • HOSTEL YUI-AN 結い庵

    築200年以上の豪壮な古民家を2年かけて再生した〈自創自足の暮らし〉を体現する宿。『里山くらしのおすそわけ』をテーマに、自然豊かな山々に囲まれた旧中山道沿いに佇む。
    Feel the joy of life in contact with rich nature and authentic tradition in Japan.
  •      
  • Guesthouse KASHIWAYA 柏屋

    往時の雰囲気が偲ばれる旧中山道・三留野宿に残された明治期の町屋を、一棟貸しゲストハウスとして再生。空き家だった生家を地域のために活かしたいと考えていた大家さんとの共同事業として実現。
    Want to spend a peaceful time in old Japanese house? This is the right place to visit.
  •      
  • MOUNTAinn NAGISO マウンテン 南木曽

    南木曽駅前に立地し、鉄コン造の空き家を古材や県産材をふんだんに用いて再生した一棟貸しゲストハウス。木曽の清流や山並みを一望できるテラスが自慢。家族や友人と大人数でのご利用におすすめ。
    Cozy whole house rental for Hiker's Retreat, 0 min. Walk from Nagiso station and bus stop bound for Tsumago/Magome.

Our Team

『Folk(市井の人々)のLore(物語)を次代に紡ぐ。』

こんな想いを込めて、会社の名前を「Folklore(フォークロア)」と名付けました。
身の回りのすべてが人の手を離れ、人智を超えたアルゴリズムによって、はるかに速くて効率的な社会システムの城が築かれようとしている現代。自然の中で人の手が連綿と紡いできたものづくりとものがたりの暮らし、五感を開くことで感じられるヒューマンスケールな空間や時間の流れは、徐々に姿を消そうとしています。
私たちは、そうした言わばヒューマンスケール・フォークロアの中にこそ、“人間の尊厳”やこれからの時代の“豊かさ”につながる鍵があるのではないかと考えています。

フォークロアのおもな事業は、空き家や耕作放棄地を再生し、おとなにも子どもにも、住民にも旅人にも開かれた〈自創自足〉を表現する場づくりです。
その手法は、人々との対話に始まり、地域の風土を深く知ることで、そこにしかないものを描きだしていきます。そしてリノベーションも、場の運営も自分たちの手で担う。

足元にあるものをおろそかにせず、活かしきるという生業。

それは遅くて非効率で、時代の流れに逆らう愚か者がやることかもしれません。
しかし今という時代だからこそ、それをやる価値があると、私たちは信じています。
そして同じように信じる人たちとつながり、ともに挑戦できることを願っています。

地に足をつけ、風を纏うものたちへ。

2019年 秋分のころ(初)

2024年 立冬のころ(改)

株式会社フォークロア 代表取締役